介護付きホームは24時間体制の充実した介護を受けられるため、是非検討したいという方は多いでしょう。
しかし、介護付きホームの初期費用や月々の費用が一体いくらくらい必要になるのかは正直不安ですよね。
ネットを検索すれば、介護付きホームの平均費用が掲載されているサイトを見かけます。しかし、ご入居を検討している老人ホームの費用と単純に比較することは現実的ではありません。
今回は、介護付きホームの費用の平均が参考にならない理由や、月払いの料金の内訳、入居時に必要となる入居一時金、それ以外に生活でかかる費用について説明します。
介護付きホームに安心して入居できるよう、介護付きホームの費用の仕組みを理解しましょう。
目次
介護付きホームの費用の平均や相場が参考にならない3つの理由
「介護付きホームの費用ってどれぐらいかかるの?」と疑問に思ってネットを調べてみると、地域ごとの相場や平均の費用が出てきます。しかし、月々の予算内に収まるかどうかの判断には、平均や相場はあまり参考になりません。その理由は大きく3つあります。
- 地域によってばらつきがある
- 老人ホームのグレードが大幅に違う
- 一時金0円と一時金利用で月額料金が変わる
それでは、介護付きホームの費用平均や相場はあまり参考にならない理由をひとつひとつ見ていきましょう。
理由①:地域によってばらつきがある
不動産や家賃と同じように、介護付きホームの費用もさまざまな条件で地域差があります。
たとえば、全国内でも、東京の料金は一番高くなっています。地価が高い東京23区の介護付きホームは全体の平均よりもかなり高くなる傾向にあります。
土地代や利便性を考慮すると高くなるのも仕方ないですね。
また、リゾート地の有料老人ホームも人気で、費用も上昇します。地域別での平均費用を出すことには多少は意味がありますが、次に挙げるグレードの違いと入居一時金の有無の違いもあります。
理由②:老人ホームのグレードが大幅に違う
ひとことで介護付きホームと言ってもそのグレードには大きな違いがあります。
まるでホテルのような豪華な施設に、プールやエンターテイメント施設が備えられていたりするような超高級老人ホームなどをテレビでご覧になったこともあるでしょう。
そのような高級有料老人ホームになりますと、一時金が数千万円や、なかには億を超えるようなところもあります。地域ごとの平均を出すにしても、このような超高級老人ホームが含まれていると相場を計算しても平均値が跳ね上がりますので、現実的な料金として参考にはなりません。
理由③:一時金0円と一時金利用で月額料金が変わる
介護付きホームへの入居には、最初にかかる初期費用(入居一時金)と、毎月の費用があります。
この入居一時金というのはいわゆる前払い制度になります。入居一時金は施設によって0円から数百万円、中には数千万円から億超え!!とかなり幅があるんです。
入居一時金を払うことで家賃相当額が下がり、月々の負担は減ります。入居一時金がゼロ円の場合はその分月額費用が大きくなります。
ですので、これを加味せずに一律で出された平均費用(特に家賃)はあまり参考にはなりません。
介護付きホームの入居に必要な費用は4種類
介護付きホームの平均費用 が参考にならない理由はおわかりいただけましたでしょうか。
では、どこを見ればいいかというと、まずは介護付きホーム利用で必要となる費用の種類について理解する必要があります。
介護付きホームへの入居で必要となる費用は主に以下の4つに分けられます。
- 初期費用
- 月額費用
- 介護保険の自己負担金
- その他の費用(オプション料金、日常生活費)
注意:施設によって呼び名が違う場合があります。
ネットなどに掲載されている介護付きホームの費用の平均や相場は、一般的にこの月額費用のみについてのもので、③の負担金や④の諸費用は含まれていません。
それぞれについて説明していきます。
費用①:初期費用
入居時の初期費用として、一時入居金や敷金が必要となる場合があります。
入居一時金とは、想定される入居期間の家賃の一部を前払いで支払いするものです。一部の施設では、入居時の年齢によって入居一時金の金額が変わるところもあります。
これにより月々の家賃相当額が減額され、月あたりの支払い金額を低く抑えることができます。
老人ホームの入居一時金の説明については「入居一時金とは?敷金の違いについても詳しく解説」をご覧ください。
※弊社の運営する富士山するがテラスでは、入居一時金方式と、敷金のみで前払金のない月払い制度の両方からお選びいただけます。
富士山するがテラスの一時金方式の詳細はこちらのページをご覧ください。
不明な点は契約時にしっかりと説明させていただきますのでご安心ください。
費用②:月額費用
今回掲載した月額料金には、家賃・水道光熱費・管理費・食費が含まれます。(介護付きホームでは、家賃は非課税となります。)
管理費の定義は施設によって異なる場合があります。弊社の介護付きホーム富士山するがテラスでは、管理費は事務管理部門の人件費・事務費、日常生活支援サービス提供のための人件費・事務費、居室・共用施設の維持管理費としています。
水道光熱費は一律額を毎月請求する施設と、各自の使用量に応じて請求する施設があります。
費用③:介護保険の自己負担金
介護付きホームで受けられる介護サービスには、介護保険が適用されます。
- 介護保険には利用限度額がある
- 自己負担額は介護度によって違う
利用できる介護保険には限度額が設定されており、限度額を超える分は自己負担となります。
介護サービスに対する個人の負担額は、要介護度や所得によって負担額が変わります。65歳以上で1割ですが、一定額の所得がある場合は2割~3割となります。
介護保険の自己負担額についてはこちらで詳しく解説しています。
費用④:その他の費用
基本の介護サービスに加えて、保険の適用外となる介護を追加で受ける場合に必要となる費用があります(オプション料金)。
さらに、日常生活で必要となる諸費用もあります。
ご参考までに、弊社の介護付きホームの富士山するがテラスで設定している自費サービス料金は以下となります(すべて税込み)。
- おやつ代:3300円/月
- 居室配膳(本人希望の場合):550円/1回
- 通院・外出支援:1100円/30分
- 振込・役所手続き代行:1100円/1回
- 追加入浴:普通浴 2200円/1回、機会浴 2750円/1回
- 買い物代行:550円/1回
これ以外にも、医療費、薬剤費、定期健康診断、介護衛生用品費(おむつ費用など)、理美容費は自己負担となります。
また施設によっては個人の通信費、新聞購読費、レクリエーション参加費、既定の回数を超えて洗濯をお願いする場合など追加料金がかかる場合があります。
静岡県富士市の介護付きホームの費用相場
以上を踏まえた上で、弊社の老人ホームがある静岡県富士市の介護付きホームの相場をできるだけ同じ条件で調査しました。
つまり、入居一時金のあるなしで比較しています。
また、富士市内の介護付きホームには多少のグレードの差はありますが、上で説明したような超高級有料老人ホームはありません。
富士市の介護付きホーム費用相場
入居一時金 | 0円~960万円 |
入居一時金0円の場合の月額 | 16万3,078円~25万8,730円 |
入居一時金0円の場合の平均月額 | 18万7,245円 |
入居一時金ありの場合の月額 | 12万,8254円~22万3,730円 |
※2021年9月時点の情報
これにプラスして 介護サービスの自己負担額(要介護度により異なる) やその他の自費負担があります。
余談になりますが静岡県は住みやすい地域でありながら比較的費用は低くなっています。東海道新幹線がありますので、都心からのアクセスも便利ですし、自然や食べ物にも恵まれ老人ホームとしても人気があります。
静岡県の中では静岡市の老人ホームは比較的料金が高い移設が多く、ハイグレードな高級老人ホームもあります。
富士山するがテラスの費用(介護付きホーム)
ご参考のため、富士山するがテラスの月額料金についてお知らせします。
以下は入居一時金のない月額方式プラン(0円)の一例となりまして、家賃は部屋の広さや階によって異なります。
※サービス付き高齢者向け住宅の料金は異なります。
月額方式プランでは、別途入居時に敷金(家賃の3ヶ月分)をお預かりしています。
以下は、同じ家賃のお部屋を入居一時金方式にした場合の月額料金です。
家賃以外の料金に変更はありませんが、入居一時金が大きくなるほど、家賃相当額が低くなります。
入居一時金のあるプランですと、家賃相当額部分がコースによって月額3万、5万、7万、9万円減となり、月々の負担額を減らすことができます。
富士山するがテラスの介護度別の負担額
介護サービスの負担額は要介護度によって異なります。こちらは弊社の富士山するがテラスの介護サービスの個人負担額となります。
静岡県富士市にある介護付ホームの「富士山するがテラス」は、東海道本線富士駅目の前、東海道新幹線の新富士駅からも近く、東京・名古屋・大阪など遠方からのアクセスも良い立地です。
さらに、居住空間から富士山がキレイに見ることができます。その利便性の良さが人気ですが、首都圏と比べると月額費用も安く抑えることができます。
遠方の方でもオンライン見学をご利用いただけます。
詳細は富士山するがテラスの案内ページをご覧ください。
介護付きホームの費用を参考にする際の注意事項
介護付きホームの平均の費用が参考にならない理由について書いてきました。
家賃については地価の影響が大きいですが、それ以外にかかる管理費や食費は近隣の施設との比較する際の参考にはなります。
1回の入浴や洗濯の額は少額ですが、日々のことですから実際に入居するとなると積み重ねで変わってきます。入居した後に認識していなかった追加費用が予想外にかかってしまう場合もあります。
各老人ホームの資料やサイトで公表されていない場合は、事前にしっかり確認しておくことが必要です。
まとめ
介護付きホームの費用の平均や相場が参考にならない理由について書きました。
初期費用については、入居一時金があるところと、入居一時金がゼロ円のところでの月額費用の単純比較は難しいです。
老人ホームごとの費用の違いを純粋に比較するのであれば、たとえば70歳で入居して10年間利用した場合などの生涯で支払う費用を計算し、比較する必要があります。
また、提示されている月額費用以外にかかる費用をしっかりと確認することが重要です。直接質問するか、重要事項説明書に記載の項目を確認しましょう。
ただし、表面的な金額にまどわされないことも重要です。施設によってお部屋の広さ、食事内容、サービスレベルも異なります。多少の金額の差にこだわるよりも、安心して暮らせる環境かどうかも重視してください。